ジャンクで入手したNEOGEO MVS4本差しマザーボード(MV-4)の修理メモ。
症状
- 「起動しない」表記のジャンクを入手。
- ブラストのJAMMAに接続しても一切画面出ず。(念のためスピーカー端子は切り離し)
修理箇所1:起動しない
まずはマザーボードの動作を確認する為に上基板を取り外し。全体的に汚れていたのでひとまずエッジコネクタを無水エタノールで清掃した所、画面が表示されるようになった事を確認。
修理箇所2:VIDEO RAM ERROR
しかし出た画面はVIDEO RAM ERROR。RAM周辺の配線はパッと見では異常無さそうなので、VRAMチップ自体を交換してみることに。
エラー出てるのが0000~7FFFの番地なので対象はLOW側のビデオチップ→256kBitのSRAMチップ。
(参考:RAM chip – NeoGeo Development Wiki)
元から付いているCXK58256MM-12Lは手持ちが無かったので、スペックを満たす(アクセスタイム120ns以下)同仕様のSRAMなら行けるでしょ、という事でジャンクのNAMCO NB-1基板からM5M5256BFP-70Lを剥がしてきて貼り付けた所、無事エラーは解消。
修理箇所3:ソフト認識せず
マザー直ったし、さていよいよ、と上基板を接続してソフトを差してもゲームが起動せずクロスハッチ表示のまま。全体的に汚れてた事もあってソフトや端子を掃除しても状況は変わらず、ソフトが読めていないか起動に失敗している様子。
もう一度マザーを眺めてみるとバックアップ電池に錆びが見られたので、とりあえず電池を外してみた所、電池下のパターンや周辺配線にも錆び・腐食が広がっている模様。電池の位置が上基板へのコネクタ近くだったのでコネクタも外すと、案の定コネクタ下の配線にも腐食が。
コネクタ腐食箇所で断線が無いか調べてみると1個断線箇所を発見。MV4のピン配置は見つからなかったのですが、MV4Fのピン配置によるとCN10はROMアクセスやセキュリティチップ回りのコントロール信号が来ているみたいなので起動しないのも妥当か、という事で配線を追って適当なICの足へ接続。
(参考:MV4F – NeoGeo Development Wiki)
ここまでやった所、無事ゲームの起動を確認。お疲れ様でした。
修理箇所4:バックアップ電池
バックアップ電池外してもそのまま動くのでいいかな…と思ったけど、店舗等で使うとなると設定保存されないのも不便、でもリチウム電池だとまた面倒臭い事になりそうだしなぁ、という事でリチウム電池の代わりにボタン電池で運用する事に。パターンの位置的にCR2032ソケットが入りそうだったのでそのままソケットを取り付け…た所、見事に横のロジックICに干渉しましたね。ソケット削りました。
元々が充電池を使用する回路なのでそのままじゃマズいよなぁ、と思った所、横の470Ω抵抗を外せばいいとの事。
(参考:Battery replacement – NeoGeo Development Wiki)
今回NeoGeo Development Wikiにはめちゃめちゃ助けられましたね…ありがたや…
修理成功
たまたまMVSカートが手元に1本しか無かったので、後日切り替えスイッチの配線等も行って店舗の筐体で動作確認。無事4本認識・切り替えに成功。
店の筐体で試した所何故か起動が安定しなかったのですが、筐体電源の5Vを調整した所安定して起動するように。そりゃこんだけデカい基板にソフト4本も刺さってれば電源食うか…。
おまけ
コネクタ装着方向間違えて付け直しとかしている間に間違って別のパターン剥いじゃったので残念賞。多分アドレス線。
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