基板情報:コナミ 新抽選王(GQ899)

久々の基板情報のコーナーです。とはいえ、汎用JAMMAやアーケードゲーム機の基板という訳では無く。

KONAMI 新抽選王

イベント等でくじ引き・ビンゴを行う際、テレビに繋いでデジタル抽選を行う類の機械なのですが、このコナミ製の抽選マシン、ベースとなっている基板がDDR等の音ゲーでも使われているSYSTEM573/GX700系統という事で一部で話題になっていました。今回オークションで入手できたので中身を紹介。

動作確認

の前にとりあえず動作確認を。付属のACアダプタ及びビデオケーブルを接続して電源ON。

ブート画面
読み込み中
起動完了

問題無く動作しました。ブート画面からしてお馴染みすぎる……。

ゲームコードはGQ899、バージョンはJABでした。果たして他バージョンの個体は存在するのか。

筐体外観

新抽選王_筐体
外観:上部
外観:背面
  • 外寸 : W345mm x D317.5mm x H106.5mm
  • 重量 : 約4.0kg

デスクトップサイズの本体・入力ボタンが一体型になっているタイプの機械で、背面に直接電源や映像コネクタ等を接続して使用します。

背面端子
ACアダプタ

電源はACアダプタで12V2.6Aとまぁまぁ大きめの容量。CDドライブ等を搭載していないとはいえ、基板と照光ボタンを考えるとその位は必要でしょうか。

映像出力はSビデオとコンポジットビデオの2種類、音声はモノラル2系統(=ステレオ出力のLR同内容)となっています。SYSTEM573では基板上にD-Sub15pinのRGB出力がありましたが本機には搭載されていません。

映像出力の隣にあるマウス端子はPS/2仕様のマウスを接続し、テストモードでのマウス操作に使用します。

内部

筐体内部

ケース内にメイン基板・サブ基板が格納され、筐体上部の照光ボタンへ配線されています。光学ドライブ等は搭載されていません。

メイン基板

いやぁ、親の顔より見かけた基板。(旧サイト→アーケード基板情報等をご参照の事)

メイン基板はGX700-PWB(A)C。DDR等で使われているGX700-PWB(A)Bとは実装部品も違う他、一部部品配置・パターン等も異なっています。但し主に接続する周辺部品に関連する違いのようで、基本的なアーキテクチャは同一、異なるマザーボード向けのプログラムでも(使用する部品が搭載されていれば)動作するようです。

SYSTEM573の大体のゲームにおいては、システム設定等のデータ保存は搭載したRTC-RAM(M48T58Y)に保存しているのですが、本機はそれも搭載しておらず、FlashROM(27L,31L)へ格納する仕様となっています。都度Flash消して書いてをするの手間なんじゃないかなぁ…(実際時間はかかる)とも思うのですが、その方が当然部品点数は抑えられるのと、画像データの取り込み機能を考えると保存容量もまぁまぁ必要となるので致し方なし、という所でしょうか。

サブ基板表
サブ基板裏

本機のゲームコードが割り当てられたサブ基板GQ899-PWB(A)。機能としては、

  • 電源入力および電圧変換(12V→5V)
  • RGB-ビデオ変換(実装チップはMB3516A、シルク上はCXA1645M)
  • I/O関連変換(照光ボタンのランプ駆動、PS/2端子の周辺回路)

を行っています。

配線類

配線については上記写真類の組み合わせ(同ピン数のコネクタ同士を接続)で大体分かるかと思います。分かりにくい所では、サブ基板CN5から背面電源スイッチへ、サブ基板のJST2ピンからメイン基板CN23に接続されます。
※詳細ご入り用の方は確認しますのでご連絡下さい。

基本的にはEXT-IN/EXT-OUT端子を使用した入出力制御となっているようですが、

  • PS/2マウス端子のデータ出力・クロック制御はEXT-OUT/EXT-INを、データ入力はセキュリティカセット側のポート(CN24)で行っている
  • 映像出力は通常のRGBSをJAMMAコネクタそばのコネクタ(CN25)から取っている他、更にビデオコンバーター用のクロック(サブキャリア)を別コネクタ(CN23)から取っている

辺りが変わり種な所でしょうか。ビデオコンバーターのクロックはGPUのCXD85610から出力されているものを使用しているようです。

JAMMA端子周辺

ちなみに、実際に入手するまでは「JAMMAで繋げば動作確認楽じゃね?」と思っていたのですが、よく見てみるとJAMMA入力ポート及び映像出力関連の部品も全部オミットされていました。なのでJAMMA接続しても映像は出ないし、JAMMA経由でのボタン入力も不可でした。つらい。

ROM吸い出し

せっかく入手したのでプログラムをDUMPしておこうと思っていたのですが、ここまで確認した所で、

  • プログラムは外部ストレージの類に保存されておらず、FlashROMにのみ格納されている
  • IDEポートと関連部品は未実装の為、IDE接続の外部ストレージは使用不可(PCカードスロットはあるが…)
  • JAMMA端子からの入力操作も不可

という、まぁまぁ厄介な仕様という事が判明。

幸いFlashROMの実装枚数も少なかったので、ROMを剥がして直接DUMPする事にしました。

DUMPした結果(SHA-1チェックサム)は以下の通り

  • BIOS
    899A01.22G / SHA1(0CE7E6E09C26CFE249BF063F6FE875C09894152F)
  • Flash
    899JAB.27M / SHA1(BC5516CB4D5AADE26068AE1E2EDC6715C6C3A44D)
    899JAB.31M / SHA1(14F5E65FF647266C081AFFFCA065887490E6F59D)
    899JAB.27L / SHA1(EE5285D0FFB0195B3AA9FB6EBCD52DFF9F4F5475) ※
    899JAB.31L / SHA1(0735C814C2A10A120308F2D37444C0D3F7A06490) ※
    ※27L/31Lはユーザーデータの保存領域の為、初期化状態でのDUMP結果です。

DUMP結果を試しにMAMEに読み込ませた所、ddrjaのドライバーのROM置き換えで普通に動作しました。

ボタン入力は内部的には通常のJAMMA入力と同一ポートに割り当てられているようで、操作もJAMMAへの割り当てで行えました。

おわりに

とりあえずFlashROMもDUMPした事だし一安心。

元々基板目当てで入手した機械ですが、店舗でイベントとかやる時に案外有用かも…?と思うので活用していこうと思います。実際たまに行くゲームセンターでも常時使われているんですよねコレ。

ただ、そのままだとビデオ出力のみってのが現代となっては微妙に取り回し悪いので、HDMI変換でも内蔵させるか…それでも専用の小型モニタもセットにしておくか…。

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